宋元の昔中国の料理法が彼我の禅僧方に依って吾が国に将来されて已に七百年を経過いたしました 其の間日本の方の好むところと融け合ひまして倍々その持ち味を美しくしてまゐったので御座います
殊に茶の本山と云われる紫野大徳寺の和尚様方より辛甘鹹酸苦の五味の案排の秘法を授かり名も一休禅師より一久と給りしと言伝へ大徳寺精進料理方として五百有余年を過してまゐりました
精進とは求法精進の謂れでありまして食は飢を凌ぐ程が形枯を療せんが為にと申されては贅沢は許されずしかも一飽能く万劫の飢えを消せしむる禅味に通ずるものではならない魚肉などの濃艶さは無くとも素朴なあじの内に百味具足せしめねばならぬと教へられてまいりました
這の歴史と伝統を誇る一久がつくります精進料理はたとへそれが野菜根豆腐等の枯淡なるものとは申せ上来の禅味をふくんで捨て難きものである事を自から信じてをるもので御座います
大方風雅の諸賢何卒這の大徳寺精進料理に醍醐味を御味ひ下さいませんか其の悦びは寔に野菜根のみでは御座いません(御注文のみ調理いたします)
お土産に、大徳寺納豆をぜひお求めください